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目次
【上質】エルメスで使われる素材の種類は?人気のレザーから高価なレア素材まで魅力を解説
バッグや財布、小物など世界中で愛されるアイテムを展開し続ける「エルメス」。エルメスのアイテムには、実に多彩な素材が使用され、それぞれ異なる特徴や魅力をもっています。本記事では、エルメスで使われている人気の素材から、希少性の高いレア素材まで一挙に紹介します。
素材の選び方のポイントや、お手入れの方法についてもまとめているので、ぜひ参考にしてスタイルやシーンに合った自分好みの一品を選んでみてくださいね。
エルメスの革素材は種類が豊富で上質


エルメスは、世界中から厳選した最高品質の素材のみを使用し、なかでも特に上質な部分だけを製品に採用しています。素材はフランスの『タナリー・デュ・プイ社』や『アノネイ社』などから仕入れられ、エルメスの厳格な基準をクリアした素材が採用されています。
エルメスはフランスの「デュプイ社」、「アノネイ社」を始め世界でも最高級タンナーの中のさらに厳選された数%の革のみを使用しています。
引用元:VINTAGE PARIS|エルメス バーキン(最終閲覧日2025年6月2日)


多彩なバリエーションと個性を楽しめるのも、エルメスの革素材ならではの魅力です。
- 牛革
- バッファロー革
- 山羊革
- クロコダイル革
上記のような革素材のほかにも、種類が非常に豊富で、それぞれ質感や耐久性、発色、経年変化といった個性が異なります。素材によっては使い込むほどに味わい深い色や艶が生まれ、長く愛用できる魅力があります。
希少性や品質、バリエーションの豊富さなど、ほかのブランドにはない徹底したこだわりがエルメスの革素材の特徴です。
迷ったらこれ!エルメスの人気革素材


エルメスの革素材はバリエーションが豊富で、それぞれ個性があります。初めてエルメスのアイテムを手にする方は、どの素材を選ぶべきか迷うこともあるでしょう。ここでは、エルメスの定番&人気の革素材を紹介します。エルメスの人気革素材は主に次の通りです。
トゴ


「トゴ」はエルメスを代表する人気の高い牛革素材で、バーキンやケリーなどの定番バッグに多く使用されています。雄仔牛の革を使い、ほどよいやわらかさと弾力性があり、しなやかな手触りが特徴です。
表面に細かいシワ(グレイン)があり、天然皮革ならではの血筋(血管の跡)が見られることもあります。個体差や個性を楽しめる素材です。また、摩擦や傷に強く、しっかりとした張りがあるため型崩れしにくく、長く愛用できる素材でもあります。
カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンにマッチし、初めてのエルメス素材としても人気です。
エプソン


「エプソン」は、エルメスの定番かつ人気の高い型押し牛革素材です。雄仔牛のレザーに繊細な型押しが施されており、均一で上品な仕上がりとなっています。硬めの質感としっかりとした張りがあり、バッグや小物のフォルムを長く保ちます。
ほかの牛革素材と比べて軽量なため、日常使いに適した持ち運びやすさが魅力のひとつです。耐久性や耐水性も高く、実用性の高い素材を求めている方におすすめの素材です。発色の良さも特徴で、豊富なカラーバリエーションを楽しめます。
トリヨンクレマンス


「トリヨンクレマンス」もエルメスを代表するレザーで、1992年の誕生以来、定番バッグや財布などに幅広く使用されています。エルメスの革素材のなかでも特にやわらかく、しっとりと手に馴染む質感が大きな特徴です。
やわらかさと耐久性を兼ね備えていることも、トリヨンクレマンスの魅力です。傷や擦れが目立ちにくく、普段使いに適しています。使い込むとやわらかさが増し、色や艶に深みがます経年変化も楽しめる素材です。
ボックスカーフ


「ボックスカーフ」は、生後3~6ヵ月ほどの雄仔牛の革を使用し、非常にきめ細かく、透明感さえ感じられる革素材です。表面にはガラス加工が施されており、なめらかで上品な光沢感と艶が高級感を漂わせます。
一方向に流れるような浅く細かいシワ(水シボ)が見られることがあり、個体差を楽しめるのも魅力のひとつです。革本来の質感としっかりとした硬さが活かされ、型崩れしにくく、長年愛用できる素材です。特にフォーマルなシーンによく合い、エルメスの高級感を表現できます。
シェーブル


「シェーブル」は、山羊革を使用した、エルメスを代表する高級素材です。牛革よりも軽く、長時間持ち運んでもストレスになりません。丈夫で傷がつきにくく、耐久性に優れているのも特徴です。
細かく均一な粒模様と繊細な光沢があり、上品な雰囲気を演出します。染色した際の発色も良く、鮮やかで美しいカラーを味わえるのも魅力です。長期間使用しても劣化しにくく、きちんと手入れすれば、長年愛用できる点もポイントです。
エルメスの革素材の種類は?人気レザーから希少素材まで


定番の革素材以外にも、エルメスでは多彩な素材でアイテムを製作しています。ここでは、エルメスで使われている主な素材を一挙に紹介します。それぞれの素材の特徴や魅力を知って、自分好みの一品を見つけてみてはいかがでしょうか。
牛革|厳選された高品質レザーを使用
エルメスでは、厳選された高品質な牛革のみを使用してアイテムを製作しています。採用される牛革は世界各地から選び抜かれた最高級のもののなかでも、さらにごく一部の上質な部分のみです。徹底した素材選びが、エルメスアイテムの魅力を引き立てています。
エルメスで使用される主な牛革は、次の通りです。
トゴ


雄仔牛から作られる「トゴ」は、ほどよいやわらかさと高い耐久性を兼ね備える、エルメスを代表する素材のひとつです。摩擦や傷、擦れに強く、型崩れしにくいので普段使いにも適しています。
表面の細かいシワや、血管の跡である「血筋」が特徴で、一点ごとに異なる個性を楽しめるのも魅力です。マットで落ち着いた発色と上品な艶で、さまざまなシーンにマッチしやすい素材といえます。
トリヨンクレマンス


「トリヨンクレマンス」は、エルメスの定番素材で人気の高い雄牛牛革素材です。エルメス素材のなかでも特にやわらかく、しっとりとした手触りが魅力です。使い込むとさらにやわらかさが増し、手に馴染む感覚があります。
トゴよりシボ(シワ模様)が大きめで、素材を活かしたナチュラルな味わいや高級感も特徴です。やわらかい素材ながら耐久性も高く、長く愛用できる素材でもあります。
エプソン


「エプソン」は2003年に登場した比較的新しい素材で、表面に細かいプレス加工が施されています。傷や擦れが目立ちにくく、耐久性・耐水性に優れている日常使いにぴったりな牛革素材です。
プレス加工により色ムラが出にくく、明るく鮮やかな発色が楽しめます。ほどよい光沢感で、フォーマルからカジュアルまで幅広く活躍します。型崩れしにくく、長期的にきれいな状態を保ちやすいのも特徴です。
ヴォースイフト


「ヴォースイフト」は、なめらかでやわらかな手触りが魅力の、エルメスの代表的な雄仔牛革素材のひとつです。手に吸い付くようなしっとりとした質感が魅力で、使い込むとさらに馴染むようになります。
表面はマットで落ち着いた印象を醸し出し、さまざまなシーンにマッチする素材です。淡い色はやわらかく、濃い色は鮮やかに発色し、エルメスの豊富なカラーバリエーションを美しく表現してくれます。
ボックスカーフ


エルメスのなかでも伝統的かつ最高級とされるカーフレザーが、「ボックスカーフ」です。生後3~6ヵ月の雄仔牛革のみを使用し、きめ細やかでなめらかな手触りが特徴です。表面のガラス加工で、エレガントな光沢と透明感のある艶をもちます。
型崩れしにくく、ボックスカーフ特有の重厚感と高級感を醸し出します。長く使い込むほどに経年変化を楽しめ、自分だけの一品に育てられる素材です。
フィヨルド


「フィヨルド」は雄仔牛の革を利用した素材で、ほどよいやわらかさとマットな質感が特徴です。表面には自然な大きめのシボと深い型押しが施され、上品で落ち着いた印象があります。傷や擦れに強く、耐水性も高いため、頻繁に使いたい方におすすめの素材です。
適度な硬さと弾力性があり、荷物を入れてもフォルムが崩れにくいのも特徴のひとつです。ガーデンパーティやエヴリンなど、カジュアルなバッグに多く使われています。
エバーカーフ


「エバーカーフ」は雄仔牛のレザーで、とてもやわらかく、しっとりと手に吸い付くようななめらかさが特徴です。光沢をおさえたマットな仕上がりで、派手過ぎず落ち着いた雰囲気があるため、さまざまなシーンで使いやすい素材です。
なめらかでありながら、傷が付きにくく耐久性にも優れているため、日常使いに向いています。流通量が少なく、希少性の高い素材であるため、ほかの人とかぶりたくない特別感を求める方におすすめです。
ネゴンダ


エルメスが2007年に発表した雄仔牛のレザーが「ネゴンダ」です。主にガーデンパーティなどのカジュアルラインで使われている素材で、やわらかすぎず硬すぎない絶妙な質感が特徴です。型崩れしにくく、多めの荷物をいれても安心して使えます。
型押し加工が施され、トゴより大きなシボは、革本来の高級感を感じさせます。発色の良さも特徴のひとつで、鮮やかなカラーバリエーションを楽しめるのも魅力です。なめらかな高級感と実用性の高い耐久性をあわせもち、さまざまなスタイルにマッチします。
バッファロー革|耐久性の高いエルメスの実用派レザー
エルメスのアイテムにはバッファロー革も使われ、「ブッフル」と呼ばれています。ほかのレザーと比較しても、耐久性や耐水性が非常に高いのが特徴です。ここでは、バッファロー革の主な種類を紹介します。
ブッフルスキッパー
「ブッフルスキッパー」は、エルメスが使用するバッファロー革のなかでも特にやわらかく、実用性と上品さを兼ね備えた素材です。傷が目立ちにくく、耐久性に優れているため、普段使いの素材として最適です。
バッファロー革特有の高い耐水性も備え、雨の日でも安心して使えます。ほどよい光沢感と艶は、カジュアルさのなかにもエレガントな雰囲気があり、高級感を演出できます。ガーデンパーティなどのカジュアルラインでよく使われる素材です。
ブッフルガラ
ほかのバッファロー革と比べて、上品さが強調される素材が「ブッフルガラ」です。硬めのバッファロー革をエルメスの技術でやわらかく仕上げ、厚みと柔軟性を両立しています。細かく整ったシボと自然な光沢感で、洗練された雰囲気を醸し出します。
バッファロー革特有の耐久性も魅力のひとつです。財布やカードケースなどの小物類や、旅行向けの大きめのバッグなどに使用され、実用性の高さも特徴です。
ブッフルシンドゥ
「ブッフルシンドゥ」は、表面にはバッファロー革ならではの独特なシボがあり、ナチュラルで温かみのある風合いが特徴です。使い込むほどに味わいが深まり、経年変化による表情の変化も楽しめます。
バッファロー革のなかでも比較的やわらかい手触りが特徴で、バッグや小物として手に馴染みやすい質感も人気の理由です。ほかのバッファロー革と同様に、耐久性や耐水性も備え、実用性とファッション性を両立した素材といえます。
ダルメシアン
「ダルメシアン」は、犬のダルメシアンを思わせる独特の斑模様が特徴のバッファロー革です。ほかのレザーにはない個性があり、コーディネートのアクセントになります。耐久性はほかのバッファロー革と同様に高く、日常使いにぴったりです。
バッグや小物などに使用されることが多く、独特な模様から「ほかの人と被りたくない」「個性的なアイテムで自分らしさを出したい」といった方におすすめの素材といえます。
山羊革|高い実用性と種類によって違う表情
エルメスのアイテムには、山羊革も使われています。エルメスの山羊革は「シェーブル」と呼ばれ、代表的な素材のひとつとして数えられます。牛革よりも軽量で傷がつきにくく、発色性も優れていることが特徴です。
ここでは、次の代表的な山羊革の魅力をまとめました。
シェーブル


「シェーブル」は、細かい粒模様と繊細な光沢をもつ山羊革で、エルメスならではの高級感と品格を漂わせる素材です。バッグや財布、小物など幅広いアイテムに使われています。牛革よりも軽量で、耐久性もあり、日常使いに適した素材です。
発色が非常によく、鮮やかなカラーが映えるため、エルメスの多彩なカラーバリエーションを楽しみたい方に特におすすめです。経年劣化は比較的少なく、長く美しい状態を保てる特徴もあります。
シェーブル・ミゾール
インド南部の街、ミゾールを産地とする小さな雌山羊革を使用した素材が「シェーブル・ミゾール」です。原料の供給量が限られ、希少価値が高い山羊革として知られています。細やかな革目と上品な光沢が特徴で、使い込むほど艶が増し、手に馴染むようにやわらかくなります。
軽量かつ耐久性も高く、どんな場面でも活躍できるオールマイティーな素材です。希少性の高さから、バーキン25などの小さめのバッグや財布、カードケースなどの小物類によく使われています。
ヴィヴラート


「ヴィヴラート」は、さまざまな色に染色した山羊革を何重にも重ねて貼り合わせ、縦に細断した断面を活かした素材で、独特な縞模様が特徴です。色合いは一点ごとに異なり、個性を求める方にぴったりの素材といえます。
2000年~2005年ころの短期間しか生産されておらず、現在では希少価値の高い素材としても知られています。エルメスの高度な技術が詰まった芸術作品のような存在で、派手さと上品さを兼ね備えたエルメスの遊び心があふれる素材です。
ワニ革|最高級のエキゾチックレザー
エルメスでは、クロコダイルやアリゲーターなどのワニ革が使用されています。エルメスの素材のなかでも特に高級なエキゾチックレザーとされ、使用されているバッグや財布、小物などは非常に高額です。ここでは、次の3種類のワニ革の特徴や魅力を紹介します。
ポロサス


「ポロサス」は、エルメスが扱うワニ革のなかでも特に高級で希少な素材です。主にオーストラリアや東南アジアに生息するイリエワニの革が使われています。ポロサスは、うろこ模様がほかのワニ革に比べて細かく整っているのが特徴で、格別な上品さを感じさせます。
光沢のある「シャイン」と、光沢をおさえた「マット」の2種類の仕上げがあり、好みに合わせて選べるのも魅力です。経年劣化を楽しめる素材でもあり、セレブやコレクターの間では高額で取引されています。
ニロティカス


ナイルクロコダイルの革を使った「ニロティカス」は、丸みのある長方形の大きなうろこ模様が特徴です。ポロサスと比較するとインパクトがあり、コーディネートのなかで存在感を放ちます。
シャインタイプは華やかでエレガント、マットタイプはカジュアルで落ち着いた雰囲気です。ポロサスほど光沢が強くないため、クラシカルでカジュアルなスタイルにも合います。水には弱いですが、型崩れしにくい耐久性も備えているのも特徴のひとつです。
アリゲーター


「アリゲーター」は、アメリカのミシシッピ川流域に生息するワニからとれる高級レザーです。ワニ革のなかでも特にうろこが大きく、四角く整った柄が洗練された印象を与えます。希少価値が高い特別な存在として扱われ、持つと特別感を感じられるでしょう。
仕上げにはシャインとマットの2種類があり、光沢や質感の違いを好みに合わせて選べます。硬めの質感と上質さで、フォーマルなシーンにふさわしいエレガントさが魅力の素材です。
リザード|上質な美しさと実用性を両立
リザードとは「トカゲ革」のことで、ワニ革と並ぶエキゾチックレザーとして知られています。ワニ革とはまた違った繊細さや質感があり、特別な存在感を放つ素材です。ここでは、「リザード」と「リザードナチュラ」の魅力を解説します。
リザード


「リザード」は東南アジア原産のトカゲ革で、細かく均一に並んだうろこ模様と、艶やかな光沢が魅力の素材です。光が当たるとキラキラと輝き、ラグジュアリーな存在感を演出します。
採取できる革の量が少なく、主に財布や小型バッグ、アクセサリーなどの小物に使われます。多彩なカラー展開を楽しめるのも魅力のひとつで、角度や光の加減でさまざまな表情を楽しめます。
リザードナチュラ


2007年に登場し、トカゲ革本来の色や質感を活かした素材が「リザードナチュラ」です。染色や加工をほとんど施していないため、一点ごとに異なる自然な表情を楽しめます。希少価値が高く、多くのエルメスファンやコレクターから人気を集める素材です。
自然な艶と繊細なうろこ模様がフォーマルなシーンではエレガントさを醸し出し、カジュアルシーンではアクセントとなります。ミニバッグや財布、ベルトなどに使われていますが、出会うことは稀な素材です。
その他の革素材|オーストリッチなど希少素材が多数
上述した以外にも、エルメスではさまざまな革素材を使用しています。希少価値の高い素材も多く、なかなかお目にかかれないものもあります。ここでは、一部ではありますが、エルメスで使われるその他の革素材を取り上げ、その特徴と魅力についてまとめました。
エルメスで使われるその他の革素材には、次のようなものがあります。
オーストリッチ


羽毛を抜いた跡にできる「クイルマーク」が特徴の、ダチョウ革を使った素材が「オーストリッチ」です。クイルマークのある革は、ダチョウの背中の一部からしかとれず、エキゾチックレザーとして高い希少性を誇ります。
見た目のインパクトもさることながら、オーストリッチは非常に軽量で、牛革よりはるかに高い耐久性を誇る実用性の高い素材でもあります。柔軟性も兼ね備え、使い込むほどに手に馴染む変化が楽しめます。発色が良く、鮮やかなカラーバリエーションがあるのもオーストリッチの魅力です。
エミュー
ダチョウよりも小さな「エミュー」の革を使った素材です。クイルマークがオーストリッチより細かく、上品で控えめな美しさがあります。エミューからとれる革の量はわずかで、エルメスのなかでも使用アイテムが少ない希少素材です。
しっとりとしたやわらかさと適度な張りをもち、手触りはなめらかです。光沢はややおさえられ、マットな質感が落ち着いた高級感を放ちます。控えめながらも独特な存在感を放つ、個性的な素材です。
ポーク


豚革を使った「ポーク」は、規則正しく並ぶ毛穴跡が特徴で、ほかの革にはない独特な模様と自然な風合いをもつ素材です。光沢が少なく、マットな手触りがナチュラルな印象を与えます。牛革よりも軽量で、毛穴跡によって通気性が保たれるのが特徴です。
蒸れにくく快適に使えるため、バッグのほかにも手袋や靴などに使用されることもあります。表面に細かい凹凸があるため、摩擦や傷に強い実用性の高さもポイントです。牛革が主流のエルメスのなかでは、比較的珍しい素材といえます。
ヴォートロイカ
「ヴォートロイカ」は、ハラコと呼ばれる毛付きの雄仔牛の革を使用した素材で、表面に毛が残っているのが特徴です。ほかのレザーにはない独特の質感と高級感、エキゾチックな雰囲気を楽しめます。
染色や加工を施した毛並みは、なめらかで艶やかな手触りが特徴です。個性的なルックスは、個性的なエルメスアイテムをもちたい方にぴったりでしょう。生産数が限られていることから、状態の良いものは希少価値が高く、コレクターからも人気です。
ヴァッシュハンター


「ヴァッシュハンター」は、細かい革目と繊細な艶をもつ牛革で、なめらかな質感と手触りが魅力の素材です。光沢がおさえられたマットな仕上がりは、控えめな上品さを感じさせます。硬めの素材で耐久性に優れており、カジュアルシーンでも活躍する素材です。
使い込むほどにエイジングが楽しめる点も、ヴァッシュハンターの特徴です。革本来の風合いや変化を楽しみたい方におすすめの素材といえます。
アマゾニア
キャンバス地に天然ゴム樹脂加工を施した、エルメス独自の素材が「アマゾニア」です。見た目はレザー風でありながら、ゴム素材ならではの独特な質感や光沢があります。防水性と耐久性が非常に高く、雨の日やアウトドアでも安心して使用可能です。
ブラウン系のカラーが多く、カジュアルながらも上品さもしっかり感じられます。現在では廃盤となっている素材ですが人気は根強く、入手したい方は中古品を根気強く探しましょう。
クリノラン
「クリノラン」は、馬のしっぽの毛と麻糸を織って作られるエルメス独自の素材です。天然素材ならではの温かみと希少性があり、ほかの素材にはないクラフトマンシップが感じられます。軽量かつ丈夫なため、シーンを選ばず幅広く使用できます。
レザーとは異なる控えめな光沢があり、見る角度によって表情を変えるのもクリノランの魅力のひとつです。ほかの高級レザーとの組み合わせで、より一層エレガントで個性的なデザインを引き立てます。
ドゥイッチ
雄仔牛革の中にワイヤーを挟み込んだ特殊な構造で、ワッフル生地のような立体的な模様が特徴なのが「ドゥイッチ」です。ほかのレザーにはない、個性的な存在感を出したい方におすすめの素材です。
ワイヤーが入っているため型崩れしにくく、しっかりとしたフォルムを長く保てます。また、軽量で耐久性にも優れているため、日常使いにもぴったりです。使用例が少なく希少価値が高い素材なので、手にしたい方は中古品を根気強く探しましょう。
キャンバス素材|実用性と豊富なバリエーションが魅力
エルメスでレザーのほかによく使われている素材が、キャンバス素材です。コットンを織りあげた「トワルアッシュ」をはじめとして、さまざまなキャンバス素材が展開されています。ここでは、バリエーション豊富なエルメスのキャンバス生地について解説します。
トワルアッシュ


「トワルアッシュ」はコットンキャンバス素材で、非常に軽量でありながら摩擦に強い耐久性をもつ素材です。2色の異なる糸を平織りすることで、繊細な模様が生まれ、普通のキャンバス地とは一線を画す上品な味わいがあります。
ガーデンパーティーやエールバッグなど、日常使いに向いたカジュアルなバッグに多く使われ、レザーとの組み合わせで高級感のあるデザインが楽しめます。ナチュラルやグレーなど、コーディネートしやすいカラー展開で、初めてのエルメスアイテムにも人気です。
トワルGM


トワルアッシュよりも目が粗く、ナチュラルな雰囲気が際立つ素材が「トワルGM」です。粗い折り目はややカジュアル寄りの雰囲気がありますが、レザーとの組み合わせややわらかいカラーで上品さも兼ね備えています。
トワルアッシュと同様に生地がしっかりしているため、耐久性や耐水性が高いエルメスアイテムを求める方にぴったりです。日常使いだけでなく、レザーとの組み合わせでフォーマルシーンにもマッチする万能素材です。
トワルソーアッシュ


「トワルソーアッシュ」は、エルメスの頭文字であるH文字が織り込まれたデザインが特徴のキャンバス生地です。ほかのキャンバス生地にはない立体感と遊び心があり、コーディネートのなかで個性と存在感を放ちます。
厚手の生地は丈夫で耐水性にも優れるため、日常的に活躍する素材です。カジュアルな雰囲気をもちながらも、幾何学模様と革との組み合わせでエレガントさも感じられます。定番のトワルアッシュに比べると流通量が少なく、希少性の高い素材でもあります。
トワルミリタリー


ナイロンとコットンをミックスして織り上げたエルメス独自のキャンバス素材が、「トワルミリタリー」です。コットンのナチュラルな味わいと、ナイロンの強度と耐久性を両立した実用性の高い素材です。
ナイロンを混ぜているため、通常のキャンバス生地より毛羽立ちや型崩れが起きにくい特徴があります。軽量で持ち運びやすいため、エールバッグなどのカジュアル寄りのラインによく使用される素材です。
ナイロンキャンバス


エルメスの「ナイロンキャンバス」は、軽さ・丈夫さ・撥水性・型崩れしにくさといった機能性に優れた素材です。雨の日やアウトドアシーンでも気兼ねなく使えるのが魅力です。また、エールラインなど性別や年齢を問わず使いやすいデザインが多く、多彩なスタイルやシーンにマッチします。
エルメスの高品質な仕立てにより、ナイロン素材でもチープ感を感じさせず、シンプルで上品な印象を与える素材です。
トワルシェブロン


ヘリンボーンと呼ばれるV字型の折り模様が特徴のキャンバス素材が、「トワルシェブロン」です。コットンを使用しており、丈夫さとやわらかさを兼ね備えた素材で、日常使いに適した実用性の高さがあります。
摩擦や傷にも強く、長く良い状態を保てるのがトワルシェブロンの魅力です。折り模様自体がデザインとなり、シンプルながらも洗練された印象があります。カジュアルでありながら高級感も楽しめる点がポイントです。
人気から廃盤品まで!エルメス素材の選び方


エルメスのアイテムには、牛革をはじめとした多彩な素材が使われています。定番の素材から、廃盤となった希少素材まであり、どれを選んだら良いか悩む方もいるでしょう。ここでは、エルメス素材の選び方を具体的にわかりやすく解説します。
エルメスの素材選びのポイントは、次の通りです。
代表的な素材の特徴を知る
エルメス素材の選び方において、代表的な素材の特徴を知ることは重要なポイントです。エルメスは多種多様な素材を使ってアイテムを製作しています。素材ごとに質感や耐久性、重さ、見た目などが異なるため、特徴を知ることでより自分に合ったものを選びやすくなります。
たとえば、トゴはやわらかく傷が目立ちにくい特徴があり、トリヨンクレマンスはやや大きなシボとやわらかさが特徴です。ヴァッシュハンターは丈夫で経年変化を楽しめるなど、素材ごとに適したシーンや魅力が異なります。
素材ごとの特徴を知っておくことで、実際にアイテムを手に取れないオンラインショップなどでも、ニーズに合ったものを選びやすくなるはずです。
質感や使用シーン、印象で選ぶ
エルメスの素材ごとに質感や見た目、耐久性、印象が大きく異なります。どんな雰囲気を求めるのか、どのようなシーンで使いたいかによって最適な素材が変わります。たとえば質感やシーンでは、次のような選び方があるでしょう。
質感 | 印象 | 使用シーン | おすすめ素材 |
しっとり | なめらか | 幅広く使用可能 | ヴォースイフト、エバーカーフなど |
光沢がある | 高級感がある | フォーマル、高級感を演出したいシーン | ボックスカーフ、リセなど |
マット | 落ち着きがある | 日常使いや、落ち着いた雰囲気を出したいシーン | トゴ、トリヨンクレマンス、エバーカラーなど |
硬め | かっちりしている | ビジネスシーン | エプソンなど |
丈夫 | カジュアル | アウトドアや旅行などラフなシーン | キャンバス素材、ヴァッシュハンターなど |
個性派 | エキゾチック | パーティや特別なイベント、ほかの人と差をつけたいシーン | クロコダイル、リザード、オーストリッチ、ヴィブラートなど |
カジュアルな場面では傷や汚れに強い「トゴ」や「キャンバス素材」などを、フォーマルなシーンでは光沢や高級感のある「ボックスカーフ」や「クロコダイル」などがよく合います。使用したいシーンや求める印象をあらかじめ考えてから、具体的な素材を選ぶことが大切です。
発色の良さや経年変化も考慮する
エルメスでは、同じ色に染めても素材によって発色が異なります。
発色 | 素材 |
明るい発色 | エプソン、ヴォースイフト、ボックスカーフ、クリノラン、ワニ革のシャイニー仕上げなど |
マットな発色 | トゴ、トリヨンクレマンス、ヴォーバレニア、エバーカーフ、アマゾニアなど |
自然な発色 | エバーカーフ、トリヨンクレマンス、ヴォースイフト、トワルアッシュなど |
「エプソン」や「ヴォースイフト」は明るく艶のある発色が特徴で、「トゴ」や「トリヨンクレマンス」はマットで落ち着いた色合いを楽しめます。自然な発色を求める方には、「トワルアッシュ」などもおすすめです。
また、経年変化も素材選びの大切なポイントです。「トゴ」や「トリヨンクレマンス」、「ボックスカーフ」などは使い込むほどに艶や風合いが増し、使う人によって独特な味わいの違いを楽しめます。一方、エプソンのように経年変化が少なく、購入時の状態を長く保ちやすい素材もあります。
発色や経年変化の特徴を理解して、自分好みや求める印象などによって素材を選ぶことが大切です。
エルメス素材のお手入れ方法は?長く愛用し続けるコツ


エルメスのアイテムは高価なものが多く、一度手にしたら良い状態でなるべく長く愛用したいものです。エルメスの素材を長持ちさせるためには、適切なお手入れが欠かせません。ここでは、エルメス素材のお手入れ方法や保管方法について解説します。
やわらかい布での乾拭きが基本
エルメス素材のお手入れ方法の基本は、やわらかい布での乾拭きです。使用後はやわらかく清潔な布で優しく乾拭きし、汚れやほこりを取り除きましょう。
バリエーション豊かなエルメスバッグですが、お手入れ方法はいたってシンプルです。
柔らかい布で乾拭きして、風通しのいいところで1日程度休ませておくだけです。
引用元:REPAIR SHOP HIRAISHIYA|エルメスバッグの正しいお手入れと保管方法について解説(最終閲覧日2025年6月4日)
市販の革クリームや防水スプレーなどは、エルメスの革にはシミや色ムラの原因になる場合があるため、日常のお手入れでは使用しないほうが安全です。カーフスキンなどのやわらかい革はオイルの吸収が早く、独断でのメンテナンス製品の使用にはリスクがあります。
水濡れや汚れへの対応
エルメス素材が水濡れや汚れにあった場合は、無理にお手入れしないことが前提ですが、ある程度の対処は可能です。水に濡れた場合は、無理にこすらず、やわらかい布で押さえるようにして水分を吸い取りましょう。水分を拭き取ったあとは、風通しの良い場所で陰干しして、自然乾燥させます。
万が一急な雨でバッグが濡れてしまったという場合には、シミにならないようにできるだけ早くしっかりと水分を拭き取り乾かすようにしてください。
ただし、ふき取りの際にゴシゴシと強く拭いてしまうと色落ちしてしまったり、乾かす際の保管場所で洋服や他のバッグと触れてしまうと色移りの原因となるのでお気をつけください。
引用元:BRILLER|エルメスバッグのお手入れ方法と注意点をご紹介【バーキン ピコタン ボリードetc】(最終閲覧日2025年6月4日)
また、軽い汚れの場合はやわらかい布で優しく乾拭きします。それでも汚れが落ちない場合は、無理に自分で対処せずに、エルメスの正規店やアフターセールスカウンター、もしくはブランド専門のメンテナンスショップなどに相談しましょう。
保管方法にも注意
エルメス素材を長く良い状態に保つためには、保管方法にも注意しましょう。高温多湿や直射日光はカビや色あせ、乾燥はひび割れの原因となるため、風通しの良い日陰で保管するのが基本です。
保管は高温・多湿な場所を避け、窓際においた場合の直射日光や電灯光にご注意ください。
引用元:Hermès|お手入れとリペア(最終閲覧日2025年6月4日)
また、型崩れを防止するために不織布を詰めたり、除湿剤で余分な湿気を取り除くことも有効です。ほかのバッグと重ねたり、触れ合わせたりしないよう、収納場所にはゆとりをもたせましょう。長く保管する場合も、定期的に状態をチェックし、乾拭きなどのお手入れを行うのがおすすめです。
エルメス正規店やリペア専門店に依頼
自分でメンテナンスするのに不安がある場合は、エルメス正規店やリペア専門店に依頼するのがおすすめです。エルメス直営店では、熟練の職人による高品質な修理やメンテナンスが受けられ、純正のパーツや素材を使ってオリジナルに近い仕上がりが期待できます。
大阪にはエルメスのアフターセールスカウンターがあり、専門のスタッフが最適な対応をしてくれます。また、ブランド修理専門店などのリペア専門店に依頼するのもひとつの選択肢です。
エルメスをお預かりして、修理前に診断士が状態と表面層を見極め最善の方法で修理・メンテナンスをしています。
引用元:皮修復どっとコム|エルメスバッグ・財布の修復(最終閲覧日2025年6月4日)
費用面や納期の面では、エルメス直営店やアフターセールスカウンターよりもメリットが大きいといえます。ただ、純正パーツが使えない場合や、店舗によって仕上がりに差が出る可能性があるのがデメリットです。実績や口コミを確認しながら、信頼できる店舗を選びましょう。
まとめ
本記事では、エルメスで使われている人気素材を一挙に紹介しました。エルメスではレザーからキャンバス地まで、実に多彩な種類の素材が使用されています。それぞれの素材で質感や印象、発色、経年劣化が異なり、好みに合わせたものを選べるのが魅力です。
素材の特徴や選び方のポイントを知り、エルメスアイテムを購入する際は、ぜひ自分にぴったりな一品を探してみてください。お手入れの方法についても触れたので、日常的にメンテナンスをして大切なエルメスアイテムを長く愛用しましょう。

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