【ダイヤモンドカットの種類とは?】重要性や評価について解説

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ダイヤモンドは、その美しさと希少性から多くの人々に愛されている宝石です。特に、ダイヤモンドのカットはその輝きや印象を大きく左右します。本記事では、ダイヤモンドカットの歴史、種類、選び方について詳しく解説します。

ダイヤモンドのカットとは?

ダイヤモンド
ダイヤモンド

ダイヤモンドのカットとは、原石を美しく輝かせるために施される加工技術です。

カットによって「対称的であるかどうかのバランス」や「光の反射具合」、「輝きの強さや量」「最終的な美しさ」などが決まります。そのため、ダイヤモンドの価値においてカットは非常に重要な工程となります。

ダイヤモンドの価値を決める「4C」の中でも、人の技術が加えられるのはカットのみであり、最も複雑とされています。カットの種類も多数あり、職人たちの素晴らしい技術によって様々な表情のダイヤモンドジュエリーが存在しています。

◆参考:ダイヤモンドのカットとは | GIAのダイヤモンドの品質の4C

ダイヤモンドカットの歴史

ダイヤモンド
ダイヤモンド

ダイヤモンドカットの歴史は、古代から始まります。最初のダイヤモンドカットは、自然の形状をそのまま活かしたものでしたが、15世紀に入ると、より洗練されたカット技術が発展しました。

特に、1477年にオーストリアの皇帝マクシミリアンが婚約者にダイヤモンドを贈ったことが、ダイヤモンドの人気を高めるきっかけとなりました。

そして18世紀には、ラウンドブリリアントカットの旧式「オールド・マイン・カット」が登場し、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す技術が確立されました。このカットは、58面体のファセットを持ち、光の反射を巧みに利用しています。

その後20世紀に入ると、さらに多様なカットが生まれ、現在ではラウンドブリリアントカットやプリンセスカット、エメラルドカットなど、さまざまなスタイルが選ばれるようになりました。ダイヤモンドカットの進化は、宝石の美しさを引き立てる重要な要素となっています。

◆参考:ラウンドブリリアントカット – Wikipedia
◆参考:マリーの物語|ピュアマリー ダイヤモンド Pure Marie

ダイヤモンドにおけるカットの重要性

グラスとダイヤモンド
グラスとダイヤモンド

ダイヤモンドの品質を評価する際には「4C」という基準が用いられており、そのなかでもダイヤモンドのカットは、その美しさや価値を決定づける最も重要な要素の一つです。

この4Cは、カラット(Carat)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、そしてカット(Cut)の4つの要素から成り立っています。特にカットは、他の3つの要素とは異なり、職人の技術によって決まるため、ダイヤモンドの輝きに直接的な影響を与えます。

以下の表は、4Cの各要素を簡単に説明したものです。

カラット(Carat)ダイヤモンドの重さを示し、1カラットは約0.2グラムです。
カラー(Color)ダイヤモンドの色合いを評価し、無色に近いほど価値が高いです。
クラリティ(Clarity)内包物や傷の有無を示し、透明度が高いほど価値が上がります。
カット(Cut)ダイヤモンドの形状や研磨状態を評価し、光の反射や輝きに影響します。

上記の4Cは、ダイヤモンドの評価において世界的に権威のある機関「GIA(Gemological Institute of America)」が確立したことで知られています。

GIAによるカットの評価は、ダイヤモンドのファセットが光とどのように相互作用するかを分析し、最終的な美しさを引き出すための重要な指標となります。

◆参考:GIA が開発したダイヤモンドの品質を評価する 4C | ダイヤモンドの購入に関して学ぶ | ダイヤモンドの 4C とは

ダイヤモンドのカット(シェイプ)の種類

ちりばめられたダイヤモンド
ちりばめられたダイヤモンド

ダイヤモンドのカット(シェイプ)は、その美しさや輝きを決定づける重要な要素です。カットの種類によって、ダイヤモンドの印象や用途が大きく異なります。

一般的に、ダイヤモンドのカットは「ラウンドブリリアントカット」や「プリンセスカット」など、さまざまな形状が存在し、それぞれに独自の魅力があります。これらのカットは、光の反射や屈折を最大限に活かすように設計されており、選ぶ際にはその特徴や用途を理解することが重要です。

ここでは以下では、カットとシェイプのおさらいと代表的なダイヤモンドカットおよびシェイプの特徴や用途をまとめています。

ダイヤモンドのカットとシェイプ

ダイヤモンドの「シェイプ」と「カット」は、宝石の評価や美しさにおいて重要な要素ですが、異なる意味を持ちます。

シェイプ:シェイプとは、ダイヤモンドを真上から見たときの幾何学的な輪郭や形状を指します。例えば、ラウンド、プリンセス、エメラルドなど、さまざまな形状が存在します。シェイプはジュエリーのデザインや印象を大きく左右します。

カット: 一方、カットはダイヤモンドの全体的なプロポーション、対称性、輝きなどを含む、研磨の技術やスタイルを指します。カットの質は、ダイヤモンドの光の反射や屈折に影響を与え、その美しさを決定づけます。

このように、シェイプは形状に関するものであり、カットはその形状をどのように加工して美しさを引き出すかに関わる要素です。

ダイヤモンドのカットの種類

ここからは、以下の代表的なダイヤモンドカットを解説していきます。

・ラウンドブリリアントカット
・ペアシェイプカット
・マーキスカット(マーキースカット)
・オーバルカット
・クッションカット
・ハートカット
・トリリアントカット/トライアングル
・スクエアカット
・プリンセスカット
・エメラルドカット

ラウンドブリリアントカット

ラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドの中で最も人気があり、広く認知されているカットスタイルです。

このカットは、58面体または57面体のファセットを持ち、光の反射と屈折を最大限に活かすように設計されています。ラウンドブリリアントカットは、特にその輝きが際立つため、婚約指輪や特別なジュエリーに多く使用されます。

カットの技術が非常に高く、原石の大部分が削り取られるため、カラット数に対して高価になることが多いですが、その美しさと輝きは他のカットに比べて圧倒的です。多様なデザインに適応できるため、シンプルなものから豪華なものまで、さまざまなスタイルのジュエリーに使用されています。

ペアシェイプカット

ペアシェイプカットは、洋梨の形を模したような独特のシェイプで、先端が細く下部が丸い形状をしています。

このカットは、優雅さとロマンティックな印象を与えるため、婚約指輪や特別な贈り物としても選ばれることがあります。ペアシェイプは、光の反射が美しく、ダイヤモンドの輝きを引き立てるため、特に大きなカラット数のものが好まれます。

また、指を長く見せる効果があるため、ファッション的にも魅力的です。デザインの自由度が高く、他のストーンとの組み合わせやサイドストーンとしても使用されることが多いです。

マーキスカット(マーキースカット)

マーキスカットは、船のような独特の形状であり、長く見える効果があります。このカットは、光の反射が美しくエレガントな印象を与えるため、婚約指輪やファッションリングにも人気です。

マーキスカットは、他のカットに比べてカラット(重さ)が同じでも大きく見せることができるため、視覚的なインパクトが強いです。また、シャープなエッジと滑らかな曲線が組み合わさっており、個性的でありながらもクラシックな美しさを持っています。デザインのバリエーションも豊富で、他のストーンとの組み合わせにも適しています。

オーバルカット

オーバルカットは楕円形のカットで、ラウンドブリリアントカットに近い輝きを持ちます。このカットは、指を長く見せる効果があり、優雅で柔らかな印象を与えます。

オーバルカットは、特に大きなカラット数のダイヤモンドに適しており、視覚的に大きく見えるため、豪華さを求める人々に人気があります。

また、ラウンドブリリアントカットと同様に、光の反射が美しくさまざまなデザインに適応できるため、婚約指輪やファッションリングに多く使用されます。オーバルカットは、シンプルでありながらも洗練された印象を持つため、幅広いスタイルにマッチします。

クッションカット

クッションカットは、クッションのような形状のカットであり、四角形のシャープな印象と女性的な柔らかさを併せ持っています。このカットは、古典的なスタイルでありながら、現代的なデザインにも適応できるところがポイントです。

クッションカットは、光の反射が多くキラキラとした輝きを持つため、婚約指輪や特別なジュエリーに使用されます。

また、角が丸いため、優しい印象を与え、さまざまなスタイルにマッチします。クッションカットは、他のカットに比べてインクルージョンが目立ちにくいという特性もあり、高品質なダイヤモンドを選ぶ際に好まれることが多いです。

ハートカット

ハートカットは、愛を象徴する形状のため、非常にロマンティックな印象を与えます。このカットは、特にバレンタインデーや記念日の贈り物として人気があります。また、対称性が重要で正確なカットが求められます。

また、ハートカットは、個性的でありながらも愛情を表現できるため、特別な意味を持つジュエリーとして選ばれることが多いです。デザインの自由度が高く、他のストーンとの組み合わせにも適しています。

トリリアントカット/トライアングル

トリリアントカットは、三角形の形状を持つカットであり、独特のスタイルを持っています。このカットは光の反射が美しく、特にエッジのシャープさが際立つため、モダンなデザインに適しています。

トリリアントカットは、サイドストーンとして使用されることが多く、他のカットと組み合わせることで個性的な印象を与えます。また、トリリアントカットは、視覚的に大きく見えるため、カラット数を強調する効果があります。

特に、ファッションリングに使用されることが多く、洗練された印象を持つため、現代的なスタイルを好む人々に人気があります。

スクエアカット

スクエアカットは、縦と横の長さが同じ正方形の形状であり、カット面は57個が一般的とされています。シンプルでありながらも洗練された印象を与えるため、モダンなデザインのジュエリーに適しています。

カット面が広いため、例えばラウンドカットなどと比較すると輝きは控えめに感じます。ですが、透明感が高いためダイヤモンドが持つ美しさを楽しむことができます。

プリンセスカット

プリンセスカットは、ラウンドブリリアントカットの正方形版のカットです。見た目はスクエアカットと似ていますが、プリンセスカットの方がカット面が多いため、より強い輝きを放つのが特徴です。

シンチレーション(動かしたときの輝き)も高く、プリンセスカットは他のカットに比べてカラット数を大きく見せることができるため、視覚的なインパクトが強いです。

エメラルドカット

エメラルドカットは、元々エメラルドを加工するために開発された特別なカットスタイルで、主に長方形または正方形の宝石に施されます。

このカットの最大の特徴は、広いテーブル面と階段状のファセットが施されている点です。エメラルドカットは、光の反射を重視するブリリアントカットとは異なり、宝石そのものの色や透明感を引き立てることに重点を置いています。

エメラルドカットは、インクルージョン(内包物)が目立ちやすいため、透明度が高く質の良い宝石に適しています。

ダイヤモンドカットの評価について

ピンセットで掴んでいるダイヤ
ピンセットで掴んでいるダイヤ

ダイヤモンドのカットは、その美しさや輝きに大きな影響を与える重要な要素です。カットの評価は鑑定機関によって異なりますが、一般的には「プロポーション」「ポリッシュ」「シンメトリー」の3つの基準に基づいて行われます。これらの要素は、ダイヤモンドの全体的な美しさや価値を決定するための重要な指標となります。

プロポーション

プロポーションは、ダイヤモンドの各ファセットの角度やサイズのバランスを評価する基準です。理想的なプロポーションは光の反射を最大限に引き出し、ダイヤモンドの輝きを高めます。

プロポーションが優れていると、ダイヤモンドはより明るく、魅力的に見えます。プロポーションの評価は、通常「Excellent」「Very Good」「Good」「Fair」「Poor」の5段階で行われます。

ポリッシュ

ポリッシュは、ダイヤモンドの表面の仕上げ具合を評価する基準です。高品質なポリッシュは、ダイヤモンドの表面が滑らかで、光を効果的に反射することを意味します。

ポリッシュが良好であれば、ダイヤモンドはより輝き、視覚的な美しさが増します。ポリッシュもプロポーションと同様に5段階で評価されます。

シンメトリー

シンメトリーは、ダイヤモンドの形状がどれだけ対称的であるかを評価する基準です。シンメトリーが良好であれば、ダイヤモンドは均整の取れた美しい形状を持ち、視覚的な魅力が高まります。シンメトリーもまた5段階で評価され、ダイヤモンドの全体的な印象に大きな影響を与えます。

◆参考:ダイヤモンドグレーディングレポート:ダイヤモンドのカットグレードを理解する

まとめ

ダイヤモンドカットは、その美しさや輝きを決定づける重要な要素です。評価基準は一般的に「プロポーション」「ポリッシュ」「シンメトリー」の3つであり、これらはカットグレードとして5段階で評価されます。

主なカットの種類には、ラウンドブリリアントカット、エメラルドカット、オーバルカットなどがあり、それぞれ独自の特徴を持っていることが分かりました。

高品質なカットは、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出して価値を高めます。ダイヤモンドを選ぶ際には、4Cやカットに着目してみてはいかがでしょうか。

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