【ダイヤモンドのランクとは?】購入・買取の前に知るべき4Cについて解説

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ダイヤモンドの指輪を探していて、「0.1Ct(カラット)」はわかるけど、「VSクラス」や「SIクラス」などダイヤモンドの品質ランクがよくわからないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、ダイヤモンドのランクについて詳しく解説します。ダイヤモンドの購入・買取で損をしたくない方は、ぜひ最後までご覧ください。

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ダイヤモンドのランクと品質評価基準の4C

ダイヤモンドのランクと品質評価基準の4C
ダイヤモンドのランクと品質評価基準の4C

ダイヤモンドのランクを語るうえで、4Cと呼ばれるダイヤモンドの品質評価基準は欠かせない存在です。

4Cとは、米国宝石学会(GIA)が1940年代に確立したダイヤモンドの品質評価基準(鑑別・鑑定基準)です。

米国宝石学会(GIA)は米国の非営利組織で、宝石の研究や教育、評価を行っています。宝石学において世界的な権威として知られており、ダイヤモンドなどの宝石の評価・鑑定・鑑別について、世界から一目置かれている存在です。

米国宝石学会(GIA)が確立した4Cは、世界的に受け入れられているグローバルなダイヤモンドの品質評価基準となりました。4Cの浸透により、ダイヤモンドの比較や価値の把握がしやすくなりました。

4Cでは、以下4つのファクター(要素)でダイヤモンドの品質を決定します

  • Clarity(クラリティ):透明度
  • Color(カラー):色
  • Cut(カット):輝き
  • Carat(カラット):重量

上記のとおり、ダイヤモンドの品質はカラット(重量)だけでは決まりません。透明度や色、輝きも、ダイヤモンドの価値に影響する重要な要素です。

ダイヤモンドのクラリティグレード

ダイヤモンドのクラリティグレード
ダイヤモンドのクラリティグレード

ダイヤモンドのClarity(クラリティ)とは、ダイヤモンドのインクルージョン(内包物)やブレミッシュ(傷)について評価する尺度です。

ダイヤモンドは、通常、地球内部の熱や圧力を受けて形成される過程でインクルージョンやブレミッシュが発生します。

インクルージョンやブレミッシュがないダイヤモンドほど完璧に近いダイヤモンドで、希少価値が高いです。

クラリティは、10倍の倍率で観察した結果を考慮して、以下11のランク(グレード・スケール)に判定されます。

ランク
(グレード・スケール)
概要
フローレス(FL)インクルージョンやブレミッシュ(傷)が見えない
インターナリーフローレス(IF)インクルージョンは見えず、ブレミッシュ(傷)のみ見える
ベリーベリースライトリーインクルーデッド(VVS1)確認が極端に困難な微小なインクルージョンがある
ベリーベリースライトリーインクルーデッド(VVS2)確認が非常に困難な微小なインクルージョンがある
ベリースライトリーインクルーデッド(VS1)確認が困難な軽度のインクルージョンがある
ベリースライトリーインクルーデッド(VS2)確認がやや容易な軽度のインクルージョンがある
スライトリーインクルーデッド(SI1)確認が容易な明瞭なインクルージョンがある
スライトリーインクルーデッド(SI2)確認が大変容易な明瞭なインクルージョンが確認できる
インクルーデッド(I1)透明度や輝きに影響を与える可能性がある明らかなインクルージョンが容易に確認できる
インクルーデッド(I2)透明度や輝きに影響を与える可能性がある明らかなインクルージョンが容易に確認できる
インクルーデッド(I3)透明度や輝きに影響を与える可能性がある明らかなインクルージョンが容易に確認できる

なお、確認可能性はいずれも熟練のグレーダーが10倍の倍率で見た際が基準です。

大まかには、インクルージョンがなければFLまたはIF、微小であればVVS、軽度であればVS、明瞭であればSI、透明度や輝きに影響を与える可能性がある明らかなものであればIに区分されます。

クラリティランクの最高であるフローレス(FL)は、宝石商でもお目にかかるのが極稀であるほど希少性の高いものです。一般に、フローレスのダイヤモンドの入手はほとんど困難といえるでしょう。

ダイヤモンドのカラーグレード

ダイヤモンドのカラーグレード
ダイヤモンドのカラーグレード

ダイヤモンドのColor(カラー)とは、ダイヤモンドがどれほど無色透明であるかを評価する尺度です。

ピンクやブルーなどのファンシーカラーダイヤモンドを除き、基本的には無色透明であるほど希少性がある価値の高いダイヤモンドと評価します。

カラーは、一定の照明と厳密な観察条件において、マスターと比較することで以下23のランク(グレード・スケール)・5カテゴリに判定されます。

マスターとは、評価する際の比較基準となる、各カラースケール(アルファベット)のダイヤモンドです。

分類カラースケール概要
Colorless(無色)D, E, F最も価値の高い無色のダイヤモンド
Near Colorless(ほぼ無色)G, H, I, Jわずかな色味を帯びているが、無色に見えるダイヤモンド
Faint(微かな色味)K, L, Mわずかな色味
Very Light(とても薄い色味)N~R大きな石なら素人目にも確認できる非常に薄い色味
Light(薄い色味)S~Z小さい石でも確認できる黄色や茶色の色味
  • Colorless(無色):D, E, F
    最も価値の高い無色のダイヤモンド
  • Near Colorless(ほぼ無色):G, H, I, J
    わずかな色味を帯びているが、無色に見えるダイヤモンド
  • Slightly Tinted(微かな色味): K, L, M
    わずかな色味を持つ
  • Very Light Yellow(やや黄色味):N-R
    大きな石なら素人目にも確認できる非常に薄い色味
  • Light Yellow(黄色味):S-Z
    小さい石でも確認できる黄色や茶色の色味

色味の有無や差異は非常に微妙なので、素人目では見分けがつきません。一方で、素人目ではわからない微妙な色味の差でも、ダイヤモンドの価値に大きく影響します。

ちなみに、グレード・スケールがAではなくDから始まる理由は、既存の評価システムとは全く別の新しいシステムを設立するためと公式にアナウンスされています。

GIAがD‐Zカラーグレーディングスケールを開発する以前は、他の様々なシステムが漠然と使用されていました。 これらには、アルファベット(A、B、C。最高級の石には複数のAを使用)や、アラビア数字(0、1、2、3)およびローマ数字(I、II、III)などが含まれ、「ジェムブルー」や「ブルーホワイト」のような言葉が使用されていました。その結果、これらのグレーディングシステムは一貫性を欠き、不正確でした。 GIAカラースケールの考案者たちは既存のシステムとは一切関係のない新しいシステムを設立するため、それまで最高品質に関連付けられていなかった文字のDから始めることにしました。

引用:米国宝石学会(GIA)

なお、婚約指輪では、無色透明が「純粋」や「無垢」を連想させるため、よりカラーグレードの良いものが人気です。

ダイヤモンドのカットグレード

ダイヤモンドのカットグレード
ダイヤモンドのカットグレード

ダイヤモンドのCut(カット)グレードとは、ダイヤモンドの形状・プロポーションについて評価する尺度です。

カット・形状とは、具体的にはダイヤモンド上部のテーブルサイズやクラウンの角度、ダイヤモンド下部のパビリオンの深さなどの比率関係をいいます。

形状・ランクが良いほど、ファイア(虹色の輝き)やきらめき、輝きが引き立てられる、美しく魅力のあるダイヤモンドです。

カットは、以下7つの要素を総合的に評価します。前半の3要素は外観、後半の4要素はデザインや職人技に基づく特徴を評価するものです。

  • 輝き・明るさ(ブリリアンス)
  • ファイアー(光の分散)
  • シンチレーション(光のパターン)
  • 重量比率
  • 耐久性
  • ポリッシュ(表面の研磨・仕上げ)
  • シンメトリー(対称性)

カットのランク・スケールは、以下の5段階で評価されます。

  • Excellent(エクセレント・EX)
  • Very Good(ベリーグッド・VG)
  • Good(グッド・G)
  • Fair(フェア・F)
  • Poor(プア・P)

エクセレントのダイヤモンドは非常に明るく、均一な明暗のコントラストを放ちます。グッドのダイヤモンドは、比較的明るさやコントラストははっきりせず、くすみが見える場合があります。

ダイヤモンドのカットグレードは、ダイヤモンドの見た目(美しさ・魅力)を左右する重要な要素です。ただし、形状の好みは個人差があるため、人によってはランクが高いものより低いものを美しいと感じる場合があります。

ダイヤモンドのカラット

ダイヤモンドのカラット
ダイヤモンドのカラット

ダイヤモンドのカラット(Carat)とは、ダイヤモンドの重量のことです。他の条件が同じなら、ダイヤモンドの価値はカラットが高い(ダイヤモンドが重い)ほど高くなります。

1カラットは0.2gで、さらに細かい単位である1ポイントは1カラットの100分の1、すなわち0.002g(2mg)です。

重量単位概要
カラット(ct)1カラットは0.2g(200mg・100ポイント)
ポイント(pt)1ポイントは0.002g(2mg・0.01カラット)

仮にダイヤモンドが0.4g(400mg)の場合、2カラットと表します。

ダイヤモンドが一般的な「g」ではなくカラットで表示される理由は、かつての宝石商が重さが均一であるイナゴ豆(carob)の種子を天秤の分銅として使っていたことに由来しています。

1913年に米国で採用され、その後世界で採用されました。もちろん、日本でもダイヤモンドの重量はカラットで表されるのが一般的です。

0.5カラットや0.75カラット、1カラットなど、キリの良い数字で表される重量は、マジックサイズと呼ばれています

1カラットも0.99カラットも重量の違いはほとんどありません。しかし、マジックサイズである1カラットは、そうでない0.99カラットのダイヤモンドと比べて重量当たりの価格が高くなります。

なお、14Kなどの表記は合金の純度を表すものなので、14カラットであると誤解しないよう注意してください。カラットは「ct」で表します。

まとめ

ダイヤモンドは、カラット(ct)だけでなく、以下のような4つの重要な要素によってランクが付けられます

  • Clarity(クラリティ):インクルージョンや表面の傷の有無・程度
  • Color(カラー):色
  • Cut(カット):カットの品質
  • Carat(カラット):重量

例えばクラリティグレードでは、「VSクラス」や「SIクラス」と表示されていることがあり、前者はベリースライトリーインクルーデッド(VS)、後者はスライトリーインクルーデッド(SI)を指すものです。VSなら内包物が軽度、SIなら内包物が明瞭と評価されています。

ダイヤモンド商品の取引をする際は、ぜひ本記事で紹介した4Cを意識して購入や買取を検討してください。

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