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【金価格の今後はどうなる?】2024年10月過去の推移から20年後を予想
年々上昇している金価格は、2024年に入ってからも最高価格を更新しており話題となっています。これから金投資をお考えの方、もしくは既に参入していて今後の予想で悩んでいる方は、改めて金価格の推移を確認しておきたいところです。
そこで本記事では、過去20年の金価格推移を振り返りながら今後10年・20年の予想をしていきます。金価格に影響する要因や、どんなタイミングで上昇・下落するのかをおさらいしながら見ていきましょう。
直近10年・20年の価格推移から金価格の傾向を解説
まずは金の価格推移を把握することが大切です。今回は田中貴金属工業が公式サイトで公開している「金価格の店頭小売価格(税込)/1g」の価格推移を参考に見ていきます。
直近20年間の金価格は、時期によって上がり下がりはありますが全体的に上昇傾向が見受けられます。
田中貴金属工業の店頭小売価格(税込)/1g平均を比較してみると、2004年9月時点が「1,483円」であるのに対して、2024年11月は「14,612円」と約10倍にまで上がっています。
2000年代は、リーマンショックや米国中央銀行制度の最高意思決定機関FRB(連邦準備制度理事会)による金融緩和縮小、東日本大震災など金価格が大きく動いた時期もありましたが、現在では安定して上昇を続けています。
◆参考:田中貴金属工業株式会社|月次金価格推移
◆参考:米国の量的金融緩和縮小とその影響(PDF)|経済産業省
今後どうなる?10年後・20年後の金価格予想
2000年代から紆余曲折があり2024年現在では安定して上昇を続けている金価格、今後はどうなっていくのでしょうか。短期的な考え方と、10年後・20年後の中長期的な考え方でそれぞれ予想してみましょう。
※こちらの内容はあくまで予想となります。必ず上昇する、下落することを保証するものではないため予めご了承下さい。
短期的な金価格の予想
これまでの金価格は年々上昇する傾向にありますが、短期的に見る場合は予想が難しいのが正直なところです。
年単位では上昇していますが、ここ20年間で急上昇や大暴落する瞬間が幾度もありました。金価格は、世界経済や為替相場などによって影響されるため、専門家でも予期しないタイミングで上下することがあります。
そのため、短期的に金価格を予想するのはとても困難と言えます。去年よりも上昇しているからと言って、先数ヶ月も必ず安定するだろうという考えは危険です。
10年後・20年後の金価格予想
冒頭でも述べた様に、金価格は2000年代から現在まで様々な変動がありながらも10倍近くまで上昇してきました。そのため、短期的な考え方とは異なり、10年後20年後の金価格については上昇すると言われることが多いです。
金は宝飾品だけではなく、電子回路やICチップなど工業用としての需要が高いため今後も求められることが予想されます。その上、採掘コストや希少性が高いことから、今後も一定の価値が期待されています。
上記を考慮して、10年後、20年後といった中長期的な視点では、金価格は上昇すると予想されます。世界情勢や経済変動によって金価格が大きく動くタイミングもあるかもしれませんが、長期的に見ている方は焦らず様子見することが懸命でしょう。
金の価格に影響する要因
先ほどは金価格の今後を予想しましたが、自分なりの推察や意見を持つためにも改めて金価格に影響する以下の要因についておさらいしておきましょう。
・世界情勢の動き
・金需要
・金の生産量
・各国の金利政策
・為替相場
世界情勢の動き
価格は世界情勢に基づいた金への需要変動から大きく影響されるのが特徴です。
世界での地政学的リスク(特定地域における政治的、社会的、軍事的な緊張状態が高まること)が上がると、投資家達によって金の需要が高まります。これは、金が安定資産とされており、リスク回避手段として選ばれるからです。この性質から「有事の金」とも呼ばれています。
反対に世界情勢が安定しているときは、その成長見込みや期待から金よりも株式や現金への投資が増える傾向にあります。そのため、金への需要が減少して金価格も下落するのが一般的です。
このように金価格は「世界情勢が安定しているか、不安定か」によって変動するのです。2024年直近では、ウクライナ戦争やイスラエルとハマスの戦争、北朝鮮や台湾情勢が注目されています。上記の動向次第では、近い将来に金価格が大きく変動するかもしれません。
金需要
先ほども少し触れていますが、金需要が増加すると価格も上昇し、需要が減少すると価格も下落する傾向にあります。そして金需要が変動する要因は、世界情勢や投資家達の動向だけではありません。
金は工業用品や宝飾品など産業分野での需要があるほか、外貨準備として金購入を続けている各国中央銀行や公的機関からの需要も多くの割合を占めています。
ワールドゴールドカウンシル(WGC)のレポートによれば、2024年第2四半期における世界の金需要は929トンであり、そのなかで産業分野のシェアは52.9%、各国中央銀行や公的機関のシェアは19.7%と記録されています。他にも、現物やETF等の投資需要が27.3%のシェアを占めています。
上記を踏まえて、金需要から経過観察をする場合は、世界情勢に加えて各種産業や各国金融機関の動きにも注目していく必要があります。
◆参考:Gold Demand Trends Q2 2024 | World Gold Council
金の生産量
世界における金の生産量も価格に大きく関わってきます。生産量が増加すると金価格は低下し、反対に生産量が減少すると価格は上昇します。
米地質調査所(USGS)によると、金の埋蔵量は2023年時点で約59,000トンと推定されています。しかし、現在の採掘技術で生産される量にも限りがあり、20年後には枯渇するのではないかと危惧する声もあります。
人類史が始まってから生産された金の総量は「50メートルプール3.5杯分」しか無いと言われているため、枯渇した場合は需要が高騰することが予想されます。
また、これまでアメリカや南アフリカが主要な生産国として地位を確立していましたが、近年では中国やロシアが中心となっています。こうした鉱山生産量における国事情や供給量の推移を理解しておくことで金価格の予想に役立つでしょう。
◆参考:Mineral Commodity Summaries 2023|USGS
各国の金利政策
各国中央銀行の政策金利も金価格に大きく影響しています。政策金利は、好景気時にその過熱を抑えるために引き上げられ、不況時には回復を目的として引き下げられます。
そして金と政策金利、主に国際基軸である米ドルとは逆相関の関係があり、以下のような傾向が見受けられます。
・政策金利が下がると、金価格は上昇傾向にある。
・政策金利が上がると、金価格は下落傾向にある。
これは、金投資に金利などのインカムゲインがないためです。金利での利益が見込めないとき、つまり政策金利が下がった場合は、安全資産として価値のある金の需要が高まるため価格上昇に繋がります。
逆相関関係のため一見シンプルなロジックのように思えますが、バブル崩壊時やリーマンショック後など必ずしも金利と連動していなかった時期もあります。その他たくさんの要因も金価格に影響するため、上記の逆相関セオリーはあくまで基本として、世界情勢や各国政策に目を向ける方が重要と言えるでしょう。
為替相場
為替相場も金価格と影響しますが、先ほども政策金利のところで触れたように国際基軸であるのは米ドルです。そのため、為替相場の視点から日本国内の金価格を追うのであれば「ドル円為替相場」に着目することが重要です。
世界で金取引が行われる際は米ドル建てが基本です。米ドル高/円安になる場合は、日本の金価格は上昇します。これは、円の価値が下がることで金購入コストが上がるためです。
反対に米ドル安/円高になると、円の価値があがるため日本円換算した際の金価格は下落する傾向にあります。
しかし、ドル円の動きに関係なく金価格が上昇することもあり得るでしょう。為替相場だけではなく、ここまで解説してきた要因を総合的に見ながら今後の予想をすることが大切です。
金価格が上昇している理由を近年のトピックを踏まえて解説
ここまでの内容をもとに、2024年現在も金価格が上昇し続けている理由を解説します。主に以下が関係していると推察されます。
・地政学リスクが高まっていること
・金融緩和政策によって低金利であること
・円安傾向にあること
・工業用としての需要が高いこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。
地政学リスクが高まっていること
テロや戦争、紛争などによって世界的に緊張が走っているとき、つまり地政学リスクが高まる際は金への投資が増加するため金価格も上昇します。
近年で言えば、ニュースでもよく見るように以下のトピックが主に注目されています。そしてこれらの世界情勢は金価格にも大きく影響しています。
・ロシアのウクライナ侵攻
・新型コロナウイルス蔓延
・米国大統領選挙
・台湾情勢
・イスラエル、ハマス紛争
・ASEAN関連の米中問題 など
ここ数年は、主に新型コロナウイルスやウクライナ戦争の影響によって「有事の金」としての需要増加が顕著に見られました。最近では台湾海峡の件なども含め、依然として世界の緊張感が続いている状況です。
また、大手コンサルティングファームPwCなどの各企業が公開している資料では、今後の地政学リスクとしてサイバーアタック・サイバーテロなどテクノロジーにおける懸念も挙げられています。
世界情勢が安定する未来は遠いようにも感じますが、常にアンテナを張りながら情報収集しておくことで少しでも変動に備えておくことが大切です。
金融緩和政策によって低金利であること
2024年9月は、スイス中央銀行が政策金利を引き下げたことや、アメリカFRB(連邦準備制度理事会)が利下げしたことなど、主要国における政策金利の引き下げが見受けられました。マネックス証券が公開している各国政策金利表をみてみると、引き下げとなっている国が多い印象です。
金利が下がることで、利息の付かない金融商品や銀行預金よりも、投資が金に集中する傾向にあります。そうなると金への需要も高まり、価格上昇の要因のひとつとなります。
◆参考:ドル円 為替 一時140円台半ばに値上がり 金利 0.5%利下げ決定 米FRB 利下げは4年半ぶり 下げ幅は通常の2倍 | NHK | 金融
◆参考:スイス中銀、政策金利を1.0%に引き下げ、2024年のインフレ率予測を下方修正(スイス) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ
◆参考:各国政策金利表/マネックス証券
円安傾向にあること
2022年に米ドル/円は32年ぶりの150円台を記録、そして2024年6月には37年ぶりに160円台に上がるなど、ここ数年日本は「歴史的円安」と呼ばれる状況が続いています。
この背景には、主に日米の金融政策差や、日本銀行が中長期的に物価上昇率見通し(インフレ期待)を高めていることなどが挙げられます。そして円安時は、ドル建てによって取引される金が円換算した際に高くなることから、日本での金価格は上昇傾向にあります。
今後の円安状況については、日本銀行の金融政策によって緩やかに修正されていくと予想される一方で、大統領選挙そして米国情勢によって急速な円高に進むことも考えられるとの声もあります。
◆参考:32年ぶりの円安水準を記録、1990年はどんな年? | TDB景気動向オンライン
工業用としての需要が高いこと
金の工業用需要はここ5年間で横ばいとなっています。ワールドゴールドカウンシル(WGC)が公開しているレポートでは、2023年の金需要総量4448.35トンに対して、テクノロジー需要は297.82トンと全体の約7%であることが分かります。
しかし、工業分野で用いられる金はスマートフォンやPCで使用する電子基盤や半導体のICチップなど、日常生活において非常に大切な役割を担っています。今後もテクノロジーの成長に応じて、ますます金の有用性や需要が高まっていくと予想できます。
◆参考:Gold Demand Trends Full Year 2023 | World Gold Council
金を売るなら今?2024年は最高価格を更新中!
2024年10月には過去最高価格の「14,748円/1g」を記録しました。
金相場において長期的、短期的での考え方をおさらいすると「今後も上昇傾向と予想されるが直近で下落する可能性もある」というのが基本です。特に、昨今の世界情勢が落ち着くタイミングは金価格が崩れると予想されます。
そのため、金価格が過去最高値を出している今このタイミングを「金の売り時」と言うこともできます。長期保有スタイルではなく、短期売買スタイルの方は2024年のタイミングで売却することを検討しても良いでしょう。
金を売るときに確認しておきたいこと
最高価格を記録している2024年ですが、今このタイミングで保有している金を売ろうと考えている人も多いでしょう。もし金を売るのであれば以下のポイントをよく確認しておきましょう。
・金の純度や重量によって買取金額が異なる
・金売却にかかる税金を理解する
・買取時の必要書類を確認する
・安心できる買取業者を選ぶ
特に最後の買取業者について、中には悪質な高額手数料を設けている業者や、でたらめな買取価格を提示するような業者もいます。公式サイトなどをよく比較して、買取実績があるかどうかや、買取について保証明記がされているかなどをよく確認しましょう。
まとめ
2024年に入り過去最高値を記録している金価格、今後10年後20年後については総合的な需要面や、世界情勢を考えれば上昇傾向にあると予想されます。
しかし、2024年以降まだまだ金価格が変動する可能性があるため、情報収集は常に行いながら予想をしておくことを推奨します。本記事で解説した、世界情勢や各国の政策、産業分野の動向などを総合的に満遍なく理解しておくと良いでしょう。
もし、短期的な金投資・金売買をしている方がいましたら、2024年の過去最高値を記録しているこのタイミングが「金の売り時」かもしれません。もしご検討される場合は、ぜひ「ブランドオフ」にご相談ください!
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