【金投資とは? 】種類や初心者におすすめの金投資を解説!

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金投資は、古くから安全資産としての地位を確立しており、年々値上がりをみせていることから昨今でも注目されています。インフレや経済不安が高まる中、金はその価値を保ちやすい特性を持つという理由より、資産保全の手段として選ばれることがあります。

また、金は無価値になるリスクが低く、歴史的にも安定した価値を示しています。しかし、金投資にはインカムゲインがないことや、保管コスト、為替相場の影響を受けやすいといったデメリットも存在します。

これらを理解したうえで、金投資をこれから始める初心者は投資方法を選ぶ必要があります。この記事では、金投資のメリット・デメリットや具体的な投資方法について詳しく解説します。

金投資とは?

スマホを手に取る女性

金投資とは、金を資産の一部として保有し、資産価値の安定やリスク分散のために投資する手法です。金は他の資産とは異なり、経済不安やインフレ時にも価値が保たれやすく、「有事の金」としても知られています。

金投資には、金そのものを購入する方法と、金に連動した金融商品への投資といった種類があり、それぞれの目的やリスク許容度に応じて投資手法を選ぶことが重要です。まずは金についておさらいしておきましょう。

安定資産としての金

金はその普遍的な価値と希少性から、長年にわたり安定した資産と見なされてきました。とくに世界の経済危機や地政学的なリスクが高まる場面でその価値が高まります。また、インフレに対する防御手段としても優れています。ほかにも金は以下のような点から安定資産としての魅力を持ちます。

無国籍資産:金は国家や企業の影響を受けにくく、国際的に取引可能であるため、地域的な経済リスクの回避に適しています。
インフレヘッジ:インフレが進行すると、物価が上昇する中で金は価値を保ちやすい特性があり、貨幣の購買力を守る手段としての役割を果たします。
長期的価値の保存:他の資産と比較して価格が大きく変動しにくく、リスクを低減しつつ安定的な成長が見込めます。

他の資産クラス(アセットクラス)に対する相関性が低く、とくに株式や不動産が下落する局面で金はリスクヘッジの役割を果たします。そういったことからも、金は「セーフヘイブン資産(安全資産)」として広く認識され、金融危機や経済不安時には金の需要が増加する傾向にあります。

金の需要

金の需要は主にジュエリーや工業用途、そして投資用途に分けられます。世界的にみると、ジュエリー産業が最も金を多く消費していますが、近年では投資としての需要が増加しています。

WGCのレポートによると、2024年第2四半期における世界の金需要のうち、産業分野のシェアは高い水準を維持しています。金は優れた導電性や腐食耐性を持つため、工業需要のなかでも電子機器や医療機器の分野で利用されています。

また、中央銀行や投資家も資産防衛の一環として金を保有しており、この投資需要は市場の安定を支える重要な要素となっています。経済状況や地政学的リスクなどが高まると、金投資への関心が急増する傾向にあることから需要の変動にも今後注目が必要です​。

◆参考:Gold Demand Trends Q2 2024 | World Gold Council
◆参考:地政学的リスク | 金融・証券用語解説集 | 大和証券

金投資の種類

金

金投資には多様な方法があり、それぞれのメリットとリスクが異なります。一般的な金投資には金地金、金貨、純金積立、金ETF、金投資信託などがあり、目的に応じて選択できます。以下では、それぞれの特徴について解説します​。

金地金

金地金(きんじがね)とは、金のインゴットやバーを購入して実物資産として保有する方法です。金地金の大きなメリットは、実物の金を手元に保有できることであり、経済不安が高まる状況下でも安心感があります。

しかし、保管場所の確保や盗難リスク、バーチャージ(加工費用)といったコストがかかる点も考慮が必要です。また、長期的に資産として保有したい方に向いている方法と言えます。

◆参考:金地金(インゴット)|金現物取引(金地金・金貨)|金投資を始める|純金積立なら三菱マテリアル GOLDPARK(ゴールドパーク) 三菱の金

金貨

金貨投資は金のインゴットとは異なり、コインとしての金を購入する方法です。代表的なものに「ウィーン金貨」や「アメリカン・イーグル金貨」などがあり、収集の対象としての価値もあります。

金貨はインゴットに比べると少額で購入可能なため、とくに金投資の初心者にも親しみやすい資産と言えます。しかし、価格には製造年やデザインといったプレミアムが加わる場合もあり、価値の評価が難しいという点もあります。

◆参考:田中貴金属工業株式会社|ウィーン金貨ハーモニー
◆参考:コイン|コイン買取専門 月の金貨

純金積立

純金積立とは、毎月一定額で少しずつ金を購入する投資方法です。ドルコスト平均法を活用できるため、金価格が変動する市場において購入単価を平準化する効果が期待されます。

また、少額から始められるため、初めての金投資としても取り組みやすい手法です。ただし、積立会社の選定には慎重さが必要であり、倒産リスクや手数料がかかる点にも注意が必要です​。

◆参考:ドルコスト平均法とは?(投資信託のギモン解決集):三井住友銀行

ETF

金ETF(上場投資信託:Exchange Traded Funds)は、証券取引所に上場している金に連動した投資信託を通じて金に投資する方法です。株式のように市場で自由に売買できるため、金投資をしながらも流動性が高いのが特徴です。

また、少額で購入できる一方、保有するコストとして信託報酬がかかるため、長期投資にはややコスト負担がかかる場合もあります。しかし、金ETFの信託報酬は非上場の投資信託と比較すると安いと言われているため、コスト面から選ぶ方もいるでしょう。

◆参考:金ETF:株式会社日立総合計画研究所

金投資が注目される理由

金

金は株式や不動産など他の投資資産に比べて価格変動が少なく、経済不安が高まる場面でも安定した価値を保つことができるため、リスク分散の観点から注目されています。

また、インフレ時の資産価値を守る手段としても有効とされています。以下のポイントが金投資が注目される理由です。

資産価値の安定性:株式市場の不安定さに影響されにくく「有事の金」として安定資産としての役割を果たします。
インフレ対策:インフレが進行すると、貨幣の購買力は減少する一方で金の価値は上昇しやすい傾向にあります。
需要の堅調な増加:ジュエリー産業や工業需要、さらに中央銀行の積極的な購入により、金の市場需要は堅調に推移しています。
分散投資の手段:他の資産との相関が低く、株式や債券と合わせたポートフォリオの一部に組み入れることでリスクを分散できます。

2024年以降の金はどうなる?

2024年以降の金価格については、複数の経済要因によって安定もしくは上昇が期待されています。主な要因として、インフレや金融政策、そして地政学的リスクなどが挙げられます。

現在、中央銀行が保有する金の量が2024年に1四半期として過去最高水準に達しました。これは各国がドル依存を減らして、金を自国通貨の裏付け資産として重視し始めていると言えるかもしれません。また、2024年以降に金についてまとめると、以下のような影響が予想されています。

米ドルの影響:米ドルが弱くなると、ドル建てで取引される金の価格が上昇する傾向にあります。
インフレの動向:米国や他先進国でのインフレ率が高水準を維持する場合、資産保全のために金の需要が増える可能性があります。
地政学リスク:世界的な不安要因(たとえばエネルギー問題や地域紛争)は、金に対する投資家の需要を押し上げる要因となります。

2024年以降も経済的、政治的な不確実性が残る中で、金の安全資産としての魅力が高まり、価格の上昇が期待されると多くの専門家が予測しています。

◆参考:中央銀行 | World Gold Council

金投資のメリット

金塊とノート

金投資には、他の金融資産と比較して独特のメリットがいくつかあります。最大のメリットは、金が長い歴史からみても無価値になるリスクがほとんどなく、安定した価値を保ち続けている点です。

また、インフレに対する耐性が強く、貨幣価値が低下しても金は比較的資産価値を保ちやすいことも挙げられます。さらに、金は株式や債券と異なる値動きをするため、分散投資の手段としても有効です。ここでは、それぞれの具体的なメリットについて説明します​。

無価値になることが考えにくい

金は歴史上無価値になったことがなく、その価値が保証され続けてきた資産です。古代エジプト時代から今日に至るまで、金は人々の信頼と価値を維持してきました。

金の価値が揺らがない理由として、その希少性と産出コストが挙げられます。たとえば、紙幣は政府が供給量を調整できるためインフレリスクが伴いますが、金は天然資源であり新たに採掘される量も限定されているため、価値が保たれやすい傾向にあります。

実際に金は、経済危機や地政学的な不安が高まるたびに資金が集まっているため、投資家にとって「安全資産」としての役割を果たしています​。

インフレに強い資産

金はインフレに対する耐性が強い資産とされています。インフレが発生すると、物価が上昇し通貨の購買力が低下しますが、金はこのような状況でも価値が維持されやすい特性があります。

歴史的に見ると、経済がインフレに突入するたびに金価格が上昇する傾向があり、これは通貨の実質的な価値が低下しても金が価値を保つことを示しています。

たとえば1970年代の米国の高インフレ期には、金価格が急騰し、他の資産と比べて資産価値の維持に貢献しました。こうした背景から、金はインフレに強い資産として投資家に広く支持されています​。

◆参考:1970年代の世界インフレーション(PDF)|日本銀行

分散投資としても適している

分散投資の観点からも、金はポートフォリオのバランスを整える重要な役割を果たします。金は他の資産と値動きの相関が低いため、株式や債券が値下がりした場合でも金の価値には影響しないことが多く、資産全体のリスクを軽減する効果があります。

これにより、金は分散投資の中で重要な位置を占める資産となっています。近年では、株式市場のボラティリティが高まる場面で金の需要が増え、価格が上昇するケースが多々見られます。このように、金はリスク分散を図りながら資産保全を目指す投資家にとって欠かせない資産と言えます。

金投資のデメリット

ノートとパソコン

金投資には多くのメリットがある一方、他の投資手段と比べてもいくつかのデメリットが存在します。とくに、金は利子や配当といったインカムゲインを生まないため、資産の成長が価格変動に依存することになります。

また、現物の金を保有する場合、保管や手数料が発生することが多く、さらに為替相場の影響も受けやすいため、国際的な経済要因に大きく左右されるリスクもあります。以下では、金投資のデメリットについてそれぞれ具体的に解説します​。

インカムゲインがない

金は株式や債券と異なり、利子や配当といったインカムゲインを生まないため、購入した金が価値を増すには価格が上昇する必要があります。

そのため、金投資を通じて資産を成長させるには、価格の変動を見据えた売却タイミングが重要になります。また、短期的な利益を得たい場合には不向きであり、長期保有を前提とした投資手法が求められることが多いです。

こうした特性から、インカムゲインを目的とする投資家にとっては、他の資産と比べて不利な点といえます​。

保管コストや手数料

金の現物投資では、購入後の保管が課題となります。現物の金を安全に保管するには、セキュリティが整った保管場所が必要であり、そのために専用の保管施設や貸金庫を利用するケースが多いです。これには保管料が発生します。

また売却時には手数料がかかるため、長期保有の場合にランニングコストがかさむ可能性があります。さらに、金の取り扱い業者によっては売買時のスプレッドが大きくなることがあり、コスト面で他の投資手段に比べて不利になることもあります。

為替相場に影響されやすい

金価格は国際的に米ドルで取引されているため、日本円で金を購入する場合は為替相場の影響を受けやすくなります。

たとえば、円安が進行すると金の円建て価格が上昇しやすい一方、円高が進む場合は同じ価格でも円建てにおける価値が下落する傾向にあります。

そのため、金の価格変動だけでなく、為替リスクを見越した運用が必要です。また、地政学リスクや各国金融政策の変更が為替に影響を及ぼすこともあるため、投資家は国際経済の動向にも目を配る必要があります。

初心者におすすめの金投資

為替レート

金投資は、多くの投資家にとって魅力的な選択肢ですがどんな投資方法にも必ずリスクが伴います。とくに、金価格は市場の需給バランスや地政学的なリスク、為替相場に大きく影響されるため、急激な変動が見られることもあります。

そのため、初心者は適切な方法を選ぶことが重要です。いくつか金投資方法があるなかで初心者が始めやすいのは金の現物購入と純金積立です。

専門業者を通じて金地金を少しずつ購入することは良い選択肢と言えるでしょう。ただ、金の現物購入は手間や保管コスト、高値づかみの損失なども考えられます。そういったリスクを避けたい場合は純金積立を検討してもよいでしょう。

純金積立は、毎月一定額を積み立てていく方法で、価格が高いときも低いときも購入できるため、リスク分散が図りやすいです。また、長期的に見れば金の価値は安定しており、とくに経済不安の際には安全資産としての魅力が増します。信頼性の高い運営会社であれば、偽物購入のリスクも減らせます。

改めて、金投資にもリスクがつきものです。とくに初心者は、初めての金投資を通じて、金の特性や市場の動向を学びながら、投資の経験を積むことが大切です。そして、自身の投資スタイルに合った方法を理解することで、金投資を効果的に活用できるようになるでしょう。

まとめ

金投資は、資産保全やインフレ対策、分散投資として非常に魅力的な選択肢です。とくに、金は無価値になるリスクが低く、長期的な価値を保つ資産として多くの投資家に支持されています。一方で、金投資にはインカムゲインがないことや保管コスト、為替相場の影響などのデメリットも存在するためよく理解しておく必要があります。

初心者が金投資を検討する場合、リスクを抑えつつ始める手法として「純金積立」がおすすめです。定期的に少額を積み立てることで、価格の変動リスクを軽減しながら安定した資産形成が可能です。

これからはじめる方は投資のリスク、そして金投資のメリットとデメリットを理解したうえで、自身の投資スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。正しい情報を元に、計画的に金投資を行いましょう。

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