【金購入】注意点やまとめ金購入関連情報や購入前に抑えておきたいポイント紹介

2024年12月10日

2024年12月17日

金を投資目的で購入する際の注意点や選択肢について詳しく解説します。
現物の金や金ETF、純金積立、金先物取引など、それぞれの特徴やメリット・デメリットや、偽物の見分け方や適切な保管方法についてもご紹介しますので、金の購入を考えている場合はぜひご覧ください。

投資目的での金購入、その特徴と注意点

現在、金の価格が上昇を続けており投資目的での金購入を検討している人も増えています。

その特徴や、購入に関して注意したい点などをご紹介します。

現物の金の魅力と注意点

現物の金（インゴットや金貨など）を直接保有することは、資産を目に見える形で所有するという点で特別な安心感をもたらします。

また、金は長い歴史を通じて価値が認められ、世界的に通貨としての地位も確立しているため、多くの投資家にとって安全資産として認識されています。

しかし、現物の金には特有のメリットと注意点があるため、購入を検討する際にはそれらを十分に理解することが重要です。

メリット:

資産としての安心感: 現物の金（インゴットや金貨など）を持つことで、物理的に手元に資産があるという安心感が得られます。また、他の金融資産が崩壊しても、金は価値を保持しやすいとされています。
世界共通で高い価値を持っている: 金は、特定の国の通貨や株式のように限定されたものではなく、古くから世界中で普遍的な価値を持つ資産として認識されています。また市場も世界中にあり、どこでも取引が可能です。

注意点:

保管リスクと費用: 現物の金は盗難や紛失のリスクがあるため、保管場所の確保やセキュリティ対策が必要です。銀行の貸金庫などを利用すると安全性が高まりますが、その分費用がかかります。
インカムゲインがない: 金は株式や債券のように配当や利息を生み出さないため、保持しているだけでは定期的な収益が得られません。投資家は、価値が上昇することで利益を得ることを期待するしかありません。

金ETFに投資するメリットと注意点

金ETF（上場投資信託）は、金の価格に連動する金融商品であり、金を物理的に保有せずに株式市場を通じて簡単に取引ができる点で人気のある投資手法です。

現物の金を直接保有するリスクやコストを回避しながら、金の価格変動による利益を目指すことができます。

メリット:

流動性が高く売買が容易: 金ETFは株式市場で取引されており、現物の金よりも流動性が高いため、売買がスムーズに行えます。
保管コスト不要: 金ETFを通じて金に投資する場合、現物の金を保管する必要がないため、保管費用や盗難リスクを気にせずに済むのが大きなメリットです。

注意点:

管理費用がかかる: 金ETFには保管コストは掛かりませんが管理費用が発生するため、長期間保有すると少しずつコストがかかり、リターンを圧迫する可能性があります。
現物の保護がない: 金ETFは金そのものを保有しているわけではないため、万一の市場不安時には現物の金ほどの資産保護効果が期待できません。

【金ETFは金価格に連動する投資信託！】金現物との違いからメリット、注意点まで徹底ガイド　

現物の金ほどの保護は期待できない理由

万一の市場不安時に、現物の金ほどの保護は期待できない理由として下記などがあります。

金融機関のリスク: 金ETFを運営する会社や信託銀行が破綻した場合、その資産の管理や保有金に問題が生じる可能性があります。これにより、投資家が即座に金そのものを引き出すことは難しくなるかもしれません。ただし、ETF自体は通常、運営会社の倒産リスクを避けるように分離管理されているため、即座に没収されることは一般的ではないでしょう。

市場操作や規制の影響: 万一、政府が金ETFの取り扱いや流動性に対して規制を強化するような事態が起こると、取引が制限される可能性があります。特に非常事態や市場の混乱時に、売買が制限されることもあり得ます。

資産の引き出しや物理的保有の困難さ: 金ETFは現物の金とは異なり、所有者が物理的に引き出して手元に保有することは基本的にできません（現物転換が可能な金ETFもある）。そのため、市場が不安定になった際に投資家が安全な資産としての保護を現物と同じように期待することは難しいのです。

純金積立の魅力と注意点

純金積立は、毎月一定額を積み立てて金を購入する方法です。

価格が高いときも低いときも同じ金額を投資するため、購入価格が一定期間にわたって平均化されます。結果として、価格変動の影響を受けにくくなり、長期的に見るとリスクが分散される効果があります。

積立投資は少額から始められるため、初心者でも手軽に取り扱うことができ、長期的に金を増やしていくため、将来の資産形成としても注目されています。

メリット:

少額から始められる: 小さな金額でも定期的に積み立てることが可能で、金価格が上昇した際に利益を得やすい。
リスク分散: 毎月一定額を購入することで、高い価格でまとめて購入するリスクを回避。

注意点:

手数料: 積立にかかる手数料が発生することがあり、長期間にわたるとコストが積み重なる。
現物引き出し: 積立金を現物の金として引き出す際には、追加手数料がかかる場合がある。

【純金積立】純金とはどんな投資方法？純金積立の特徴からおすすめの取扱会社まで徹底解説

金先物取引の特徴とリスク

金先物取引は、将来の特定の日に特定の価格で金を売買する契約を行う投資手法です。

レバレッジ（自己資金よりも大きな額の取引ができる仕組み）を利用して、少ない資金で大きな取引が可能なため、短期間で高い利益を狙うことができます。

しかし、価格が思い通りに動かない場合は損失を被るリスクも大きいです。

メリット:

高いリターンの可能性: レバレッジを活用することで、価格変動を利用して短期間で高いリターンを得るチャンスがある。
リスクヘッジ: 他の投資ポートフォリオのリスクを軽減するためのヘッジ手段としても利用される。

注意点:

リスクが高い: レバレッジの利用により、想定外の損失が発生する可能性がある。
市場の知識が必要: 先物取引は市場の動向を読むスキルが必要であり、初心者には難しい場合がある。

金投資の一環、”金鉱株投資”もご紹介

金鉱株とは、金を採掘・生産する企業の株式に投資する方法です。

この方法は、金価格の上昇が企業の業績に反映され、配当収入を得るチャンスもあるため、インカムゲインを期待できる点がメリットです。特に、金価格が上昇するときには企業の収益も伸び、株価の上昇が見込まれることがあります。

一方で、金鉱株には特有のリスクも存在します。

金価格の影響を受けるだけでなく、企業そのものの経営状況や政治的リスク、労働問題など、外部要因による変動が大きい点が注意点です。

したがって、金鉱株を選ぶ際には、企業の財務状況や業界の動向を十分に調査することが必要です。

金購入前に知っておくべき注意点

金の購入をする際に注意すべきポイントをご紹介します。これらを理解しておくことで、より賢明な投資判断が可能になります。

インカムゲインが無く金価格上昇だけが頼り

前述しましたが、金は株式や債券と異なり、インカムゲイン（定期的な利息や配当の収入）を生み出しません。これは、金の価格が上昇しない限り資産の成長が見込めないということです。

インカムゲインの恩恵の一例：

株式の配当: 配当金は、企業が利益の一部を株主に還元する形で支払われるもので、長期保有することで定期的な収益を得ることができます。これにより、株価の上昇以外にも収益を得られるため、安定的な投資収益を期待できます。
債券の利息収入: 債券は満期まで保持することで定期的な利息が得られ、予測可能な収入を確保できます。これにより、リスクを抑えつつ資産運用を行うことが可能です。

インカムゲインの具体的な配当金額一例：

トヨタ自動車【7203】の場合:トヨタ自動車は年に2回、配当支払基準日を設定しています。2024年3月期の場合、中間配当が30円、期末配当が45円で、年間合計75円の配当でした。例えば、トヨタ株を100株保有する場合、受け取る配当金は7,500円ですが、これは配当所得として課税されるので、源泉徴収後の金額（税率20.315%）が実際に振り込まれます。
債券の利息収入例: IT関連・証券会社の社債で人気1位のソフトバンクグループの場合。
利率（％）：3.03、格付け（長期債）：A（JCR）、債券の金額（円）：100万円
100万円 × 3.03％＝ 30,300円（税引前）
税引後の利息収入： 30,300円 ×（1 － 0.20315）＝約24,150円
したがって、税引後の年間利息収入は約24,150円となります。

そのため、金を保有する投資家は資産の一部としてバランスを取り、他の収益を生む資産と組み合わせて運用することも良くあります。

偽物の金インゴットを購入しないように注意

金インゴットは高額な資産であるため、偽物も多く出回っています。

ヤフオクなどの個人売買プラットフォームで、中古として市場より安い価格で金インゴットが販売されていることがありますが、金の場合、基本的に中古が理由で安くなることはありません。

信頼性の低い売り手からの購入はリスクが伴いますので注意が必要です。

信頼できる販売元から購入することが重要ですが、購入者自身が偽物を見分ける知識を持つことで、リスクをさらに減らすことができます。

また、メーカーの刻印があっても、複製が簡単に行われてしまうケースがあるため、他の判別方法も合わせて確認することが必要です。

以下に、偽物を避けるための判別方法をいくつかご紹介します。

判別方法1 – 購入証明書の確認

金インゴットは購入時に購入証明書が発行されます。この証明書には、購入者、購入日、金額、購入日の金相場、金の純度、重量、などが記載されています。

購入証明書の確認ができるとより安心です。

判別方法2 – メーカーの刻印を確認

信頼できるメーカーの金インゴットには、製造元の刻印やロゴ、シリアル番号がしっかりと刻まれていますが、刻印は偽造されやすい部分でもあります。

そのため、刻印だけで判断せず、他の方法と組み合わせて確認することが重要です。

判別方法3 – 磁石で確認

純金は磁性を持たないため、磁石に引き寄せられることはありません。

金インゴットを購入する際に小さな磁石を当ててみて、引き寄せられる場合は金ではない可能性が高いです。

この方法はシンプルですが、全ての偽物を見分けられるわけではないため、他の判別方法と併用しましょう。

判別方法4 – 重量を計測する

純金の密度は非常に高いため、インゴットの大きさに対して重量がしっかりとあるか確認します。刻印に対して1g以上誤差がある場合は偽物の可能性が高くなります。

見た目が同じでも密度が異なる場合、内部に他の金属が混ざっている可能性があり、専門の計測器を使用して確認することが推奨されます。

判別方法5 – 専門業者で鑑定を依頼

疑わしい場合は、専門の鑑定業者に鑑定を依頼するのが最も確実です。

個人売買プラットフォームで購入した金インゴットについても、購入後に専門業者で鑑定を受けることで、真贋を確かめることができますが、結果として偽物だった場合、出品者が返品・返金に応じないというトラブルは金売買に限らず多々発生しています。

信頼できる鑑定士がいる店舗やサービスを利用することで、偽物を購入するリスクを低減できます。

金価格変動の要因とリスクを把握

金の価格は、さまざまな要因に左右されます。

例えば、経済状況の変化、為替相場、地政学的リスク、そしてインフレなどが挙げられます。特に世界的な経済危機や金融不安が生じた際には、金の価格が急騰する傾向にあります。

一方で、市場の安定期には価格が落ち着くこともあり、その変動リスクを十分に理解しておく必要があります。

ここ十年以上、金の価格は右肩上がりに上昇を続けていますが、局地的に価格が上下する可能性もあるため、世界的な情勢をチェックすることをおすすめします。

現物の保管方法とセキュリティの確保

現物の金を購入した場合、その保管には慎重さが求められます。

自宅で保管する際には耐火・耐工具金庫を使用するなど、盗難や火災に備えた対策が必要です。さらに万が一侵入された場合に備え、防犯カメラ・監視カメラといったセキュリティシステムを導入することもおすすめします。

また、より安全性を高めるために銀行の貸金庫を利用することも選択肢の1つです。ただし、保管にはコストがかかるため、事前に維持費を把握しておくことが大切です。

＜銀行の貸金庫を利用した場合の料金一例＞

三井住友銀行

サイズと料金:
- 高さ6.5cm×幅28.0cm×奥行52.5cm：半年間で11,000円（税込）
- 高さ8.5cm×幅28.5cm×奥行53.5cm：半年間で14,850円（税込）
- 高さ14.0cm×幅28.0cm×奥行53.0cm：半年間で23,100円（税込）
支払い方法: 毎年4月と10月に6ヵ月分の利用料金を前払い。

三菱UFJ銀行